消費の2極化

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少し前から言われている「勝ち組」「負け組」

「年収300万で・・・」がベストセラーになれば、ミリオネナ女性(年収1000万)になるための本も売れている。成功者を見習えとばかりに自己啓発本や成功者の手帳を覗き見る本があるかと思えば、株投資や不動産投資を煽る、楽して儲けましょう的な本も所狭しと平積みされている。

安さの象徴ダイエーは潰れかけなのに、日本に自社ビルをおったて続けている海外ブランド。企業の事務所が立ち退いた後には、あれよあれよと言う間に海外ブランド通りになっている心斎橋周辺。

安いホテルはガラガラなのに、1泊5万円する静岡の温泉旅館は半年先まで予約がいっぱい。3千円のセミナーには行かないのに、300万円のセミナーに参加する人。300円の占いはやらないのに、30万円のお布施をする人。

どこを見ても、対極的。

でも、ここで勘違いしてはいけない。いくら対極的にお金が動いているからといって、1個人を年収や人口比率や年代なんかで、「お金のある人・ない人」などという観点で2極にわける事は決して出来ないのだ。

例えば、私。通販で数千円のワンピースを買うくせに、下着に数万円。中古の15万円の車に乗り続けてるくせに、来週泊まる銀座のホテルは1泊2万円。

この傾向は、誰にでも当てはまる。

化粧品はドラッグストアで買うくせに、シャンプーは美容院で買う人。反対に、シャンプーは安物なのに、化粧品に1本1万円かける人。冷蔵庫は特価商品なのに、洗濯機は1番いい最新型を選ぶ人。家のじゅうたんはボロボロなのに、ソファはイタリア製。家は中古住宅なのに、内装はデザイナーズリフォーム。服はユニクロなのに、車は外車。スーツは9800円なのに、時計はロレックス。その反対もしかり。安い居酒屋なのに、飲み物はえびすビール。

書き上げてたらキリがない。決して年収とか人口比率とか年代とか・・・一般的判断数値だけで消費者動向は計れない。

とすると、企業側(サービスやモノを提供する側)は大変だ。今までの常識的な数値判断では、自社商品の販売ターゲットを見誤り、当然、売上にも繋がらなくなるのだ。

一個人の中で、安さだけに拘る商品・サービス類があり、多少高くても自分の気に入ったものを買いたいと思っている商品・サービス類があるわけだ。

だから、年収300万円だったとして、通常高級商品の販売ターゲットに入らないと提供する側が勝手に判断しても、その商品に拘りがあれば、他を節約して、ほしい高額商品を手に入れようとするのが、今の消費者心理だ。

消費者心理は、20年前のように単純にはわかりにくくなっている。そして、単なるモノ・サービスだけでは受け入れられなくなっている。提供する側は、色んな側面・視点から考え、売りモノにどれだけの付加価値をつけられるかで、その将来は変化してくる。

これからの時代は、「お金のある人・ない人」という観点ではなく、自社サービス・商品に対して「お金を使ってくれる人・くれない人」という観点が絶対に必要なのだ。

安ければいいってものでもなく、高ければいいってものでもなく、なんでも屋やなんでも出来ますではお金を使ってくれる消費者に選ばれないってことね。ここ何十年の慣例や業界の常識にとらわれていたんでは、将来に明るい光は見えないってことよ。

「勝ち組・負け組」などと、単純2極化するような視点しか持ち合わせてないんじゃ、決して望む結果は手に入らないね。提供する側(ビジネスを作る側)としては、難しくもおもしろい世の中になってきたもんだ。

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