Panacee(パナセ)

パナセはフランス語で”万能薬”という意味です。「天職探して、転職30回!」の経験を活かして、小さな会社の社長さんをサポートしています!

願望 欲望 自意識過剰

投稿日:2006/04/20 更新日:

「高山さん(仮名)から電話があったよ。」
出張から戻った私に、母が言う。
「高山?」
その名前に心当たりはない。
「そう。ありがとう。」

部屋に戻り、パソコンを立ち上げる。
日課となってるアクセスログを確認する。

とあるIPアドレスが、間隔を開けることなく連なっている。
「あーあの女か。」
私は、吐き捨てるように呟く。
もう何日も前から、日に何十回、いや何百回も、私のサイトを見に来ていたのだ。

その頃の私のサイトには掲示板があって、仲の良い連中が書き込み合戦をして遊んでいた。
この仲良し連中は、あるブログコミュニティでそこそこの有名人で、皆が遠巻きに眺めるような連中だったため、なかなか普通の人はこの掲示板に書き込みをすることがなかった。
この中に、この女の目指す男がいたので、女は毎日何百回も掲示板をチェックしていたのだ。

突如、私の帰りを待っていたかのように電話が鳴り響く。

「はい。パナセです。」
「あの。高山と申します。○○さんと・・・」

女は、言葉を濁す。

「はい?」
「何か聞いてますか?○○さんに私のことを・・・」

○○さんとは、私の男友達だ。
ビジネスを一緒にやっている。
お互いブログを持っているので、私たち2人が仲が良いのは周知の事実だ。

「で、何?」
「はい。年末に一緒に旅行に行ったんですけど、あれ以来、まったく連絡がつかなくなって・・・」
「で、私に電話?なんで?」
「いや、パナセさん仲がいいので、何か聞いているかと思って。」
「聞いてるよ。けど、私が言うことじゃないし、連絡が取れないってことは、そういうことでしょ。」
「けど・・・だって、○○さんとは・・・」
「知ってるよ。やったんでしょ。だから何?結婚すると思ってたの?」
「はい。だって・・・そういうことも彼は言っていたし・・・」

女は涙声になる。

この男には妻子がいる。
男が言った寝物語を、女は自分の都合の良いように解釈している。
まぁ当然と言えば、当然なんだろう。

「すごい迷惑。」

言葉冷たく言い放つ。

「すみません。」
「妊娠したんか?」
「いいえ。」
「無理やり犯されたんか?」
「いいえ。」
「だったら、潔く諦めな。無視されてるってことは、そういうことでしょ。」

完全に泣き出す。

妻子ある男を好きになり、自分が捨てられた事実を受け止めることが出来ず、女友達の私に繋がることで、女同士だから私が味方にでもなってくれるとでも思ったのか、自分の存在を誇示し、何とかして男を引き寄せようとする卑怯な手口。

こんな女は、大嫌いだ。こういうことをする女だから、あの男は一切の連絡を拒否しているのに、女には、その理由がわからない。

「妊娠したら、連絡してきな。慰謝料とってやるよ。」
最後にそう言って電話を切った。

速攻、男に連絡を取る。
「あの女から、電話があったよ。」
「うそ?なんて?」
「私のこと聞いてますかって。」
「いや~ごめんごめん。」
「もうムカついたから、犯されたんか?って言ってやったわ。」
男、大爆笑。
「パナセに相談しようってのが、間違えとるよな~。」

その後、女からお礼のメールが来る。
私にさんざんキツイことを言われ、泣かじゃくったのに、次の日にお礼メール。
結局、男を知ってる誰かに自分の存在を認めさせたかっただけなのだ。

願望は欲望となり、欲望が満たされてくると、自意識過剰な反応を示す。
男と寝たという事実は、女にとって男を所有したということ。
女と寝たという事実は、男にとって単なる1つの経験。

普通の女は、言葉を欲しがる。
モテる男は、相手の欲しい言葉を、浴びせるように与える。
女は、男の吐く愛の言葉を全身に浴びて、すっぽり深みにはまる。
吐いては消えた数々の言葉を本物だと信じ、必死にしがみつく。

男は言った。
「本当に通じ合うと、言葉はいらないと思うんだよね。」

言葉にしがみついた女は、男に捨てられた理由を今も知らない。







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