常識は非常識

男と女が歩いている。

男は、黒地にグレーストライプのスーツ。
ピンタイプのシャツに小さなアタッシュケースを持ち、
足はサンダル。そして、口ひげ。

女は、黒のスーツに、真っ赤なインナーシャツ。
ひざ上15㎝のミニスカートに7㎝のピンヒール。
そして、黒の網タイツ。

どっから見ても、チンピラとホステス。
その2人が、太陽がまだ高い午後1番の時刻に歩いている。
明るい太陽の下、華やかなファッションに彩られた人の間を歩く黒づくめの2人は、生息する時間帯を間違えているとしか思えない。

男はうつむきがちに、スーツにサンダルという滑稽なスタイルを気にする様子もなく、淡々と足を進めている。
女は男の方を向き、何かと男に話しかけ、声をあげて笑いながら歩いている。
他人から見れば、恋人同士か身内にしか見えない2人の距離感。

誰も知るはずがない。
ほんの40分前に、初めて会った2人だと。
誰も知るはずもない。
1週間前に、ブログで出会った2人だと。

女から送られた1通のメッセージ。
受け取った男。
4時間の会話。
その隙間から生まれたアイデア。

常識は、時によって移り変わる。
非常識は、人によって移り変わる。
常識は非常識に変わり、非常識は常識に変わる。

女は、まだ知らない。
男の持つ小さなアタッシュケースの中に、現金2000万円が入っていることを。
男は、まだ知らない。
女の企みで、この現金すべてを無くすことを。

2003年。秋が近づく9月の終わり。
会話の隙間から生まれた非常識なアイデアは、男と女の友人知人を巻き込み、1つのビジネスプロジェクトとして動き始めた。

そして・・・
男は、何かを得て、何かを無くした。
女は、知恵と経験を得て、世間の常識を無くした。
プロジェクトは全国数千人を巻き込み、その業界の常識となった。

常識?非常識?
人は、自分勝手な価値観で決めている。

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